「しっかり伝えているつもりでも、聞き返されてしまう…」
こんな経験はありませんか?
・言葉をしっかり発音すること
・舌や表情筋を鍛えること
…これらによって、滑舌の悪さをは改善することができます。
滑舌を上達させる1ヶ月トレーニング。
今日から実践してみませんか?
Outline
1. 滑舌改善に必要なこと
まず、滑舌を改善するためには、3つのポイントがあります。
・正しい腹式呼吸をする
・言葉をしっかり発音する
・舌と顔の筋肉を鍛える
…この3つのポイントを順にご説明します。
1-1. 正しい腹式呼吸
深い呼吸ができていないと、言葉もうまく発音できません。
はっきりした音を発音できるように、呼吸を見直していきましょう。
これを自然に出来るようになれば、腹式呼吸が出来ているということです。
1-2. 言葉をしっかり発音する
長年の積み重ねで、話し方やイントネーションなど自分流になっています。
・どの言葉が伝わりづらいのか
・どの音が聞き取りづらいのか
苦手な言葉を改善していくことで、滑舌の良さを感じていくでしょう。
1-3. 舌と顔の筋肉を鍛える
大声で笑ったり、表情を豊かにすることを意識していないと顔の筋肉は固くなる一方です。
また見落としがちですが、舌を円滑に動かすことも滑舌の良さに関わってきます。
顔や舌にはいくつもの筋肉があるので、全体的に使えるようにトレーニングしていきましょう。
滑舌改善に必要な3つのポイント
①正しい腹式呼吸をする
②言葉をしっかり発音する
③舌と顔の筋肉を鍛える
次の章から、1週間ごとの滑舌改善メソッドをご紹介します。
2. 【1週間目】口まわり、体の筋肉をほぐしましょう
まずは1週目。
口を動かしやすくするためのトレーニング内容をメインに行っていきましょう。
2-1. 一日3分腹式呼吸をしよう
正しい腹式呼吸の方法をマスターすれば、自然とはっきりとした発音が出来るようになります。
①まずはリラックスの状態をつくる。
背筋を伸ばした状態で座り、8秒かけてゆっくり息を口から吐いていく。
②息を吐ききったら、8秒かけて鼻で息を吸う。
お腹を膨らますように空気をためる。
③息を吸ったら8秒止める。
④口から8秒かけてゆっくりと息を吐いていく。
※このとき、呼吸だけに集中しましょう!
この流れを繰り返し、3分間毎日行っていきましょう!
2-2. 舌を鍛えよう
舌の筋肉を鍛えることで、口の動きが滑らかになり滑舌もよくなります。
①舌を大きくまっすぐ伸ばし、10秒間キープ。
②舌を曲げて鼻の方へ伸ばし、10秒間キープ。
①・②を繰り返し3分間行う。
これも、毎日行いましょう!
2-3. 表情筋を意識して口を動かそう!
顔全体をほぐす運動も同時に行うと、より効果的です。
◆前頭筋と眼輪筋を鍛える
・目と眉毛を思いっきり持ち上げる
・眉毛はそのままの位置で、瞼だけ閉じる
・瞼を閉じたまま眼球を左右に動かす
・15回ほど眼球を動かしていく
◆口角を引き上げる頬筋を鍛える
・口を前に突き出して、口を「お」の形にする
・「お」の口のまま口は下に引き下げ、頬は逆に上に引き上げる
・これを10回ほど繰り返す
◆老け顔防止にもなる口輪筋の鍛える
・鼻下・鼻の横からほうれい線の上に置くように、両手で口輪筋全体をおおう
・口輪筋に置いた指の腹を使って、そのまま円を描くように時計回りに10回、反対回りに10回動かす
3. 【2週間目】一つ一つの音を確かめよう
3-1. 口の開け方を確認しよう
まずは、「あいうえお」がしっかり発音できるか確認しましょう。
あ
あご下の顎を十分に開いて、舌の中央下部に力が入ることを意識する。
い
あごはほとんど開かず口を横に引っ張るようにする。舌先を上顎に近づける。
う
あごはほどんど開かず唇をすぼめて発声。舌の奥が盛り上がるようにする。
え
あごは「あ」と「い」の中間くらい。舌の前部に力が入るように意識する。
お
あごは「え」と同じくらい開く。唇を絞って丸め、舌の奥を盛り上げる。
3-2.はっきり母音と子音の発音をしてみよう
「あーえーいーうーえーおーあーおー」
「かーけーきーくーけーこーかーこー」
「さーせーしーすーせーそーさーそ」
このように繋げながら、母音と子音をはっきり発音してみましょう!
3-3.区切りをつけて発音してみよう
「た・て・ち・つ・て・と・た・と」
「な・ね・に・ぬ・ね・の・な・の」
「は・へ・ひ・ふ・へ・ほ・は・ほ」
このように一音一音、区切って発音してみましょう!
お腹を動かしながら行うことで、力強くはっきりした発音になりますよ。
4. 【3週間目】外郎売でゆっくり言葉を音読してみよう!
声優やアナウンサーも実践している外郎売(ういろううり)。
口を大きく動かして、読んでみましょう。
音読が好ましいですが、口を大きく動かして滑舌をよくすることが目的なので声を出さず行っても大丈夫です。
段落①
拙者(せっしゃ)親方と申すは、お立ち会いの中に、
御存知(ごぞんじ)のお方も御座(ござ)りましょうが、
御江戸を発(た)って二十里上方(にじゅうりかみがた)、
相州小田原一色町(そうしゅうおだわらいっしきまち)をお過ぎなされて、
青物町(あおものちょう)を登りへおいでなさるれば、
欄干橋虎屋藤衛門(らんかんばしとらやとうえもん)、
只今(ただいま)は剃髪(ていはつ)致して、円斎(えんさい)となのりまする。元朝(がんちょう)より大晦日(おおつごもり)まで、
お手に入れまする此(こ)の薬は、
昔(むかし)ちんの国の唐人(とうじん)、
外郎という人、我が朝(ちょう)へ来たり、帝(みかど)へ参内(さんだい)の折(おり)から、
この薬を深く籠(こ)め置き、用(もち)ゆる時は一粒ずつ、
冠(かんむり・かむり)のすき間より取り出(いだ)す。
依(よ)ってその名を帝より、
とうちんこうと賜(たまわ)る。
即(すなわ・すなは)ち文字には、
「頂き、透く、香い(いただき、すく、におい)」と書いて
「とうちんこう」と申す。
全部で段落⑤まであるようなので、①が慣れてきたらどんどん次へ進んでみましょう!
5. 【4週間目】早口言葉にチャレンジ
ここでは、練習するべき早口言葉をいくつかご紹介します。
初級編
生麦生米生卵
(なまむぎ なまごめ なまたまご)
青巻紙赤巻紙黄巻紙
(あおまきがみ あかまきがみ きまきがみ)
隣の客はよく柿食う客だ
(となりのきゃくは よくかきくう きゃくだ)
坊主が屏風に坊主の絵を上手に描いた
(ぼうずが びょうぶに ぼうずのえを じょうずにかいた)
よく聞く基礎的な早口言葉ですね。
改めて発声してみると、意外とつまづくところもあるのではないでしょうか?
苦手な音でどの部分が弱いのかわかります。
あ行:軟口(口の天井の骨がなく軟らかい部分)
か行:奥舌音(舌のうしろ、のどの力)
た行:舌尖音(舌の先の力)
な行:通鼻音
は行:口唇音(唇の力)
中級編
・農商務省特許局 日本銀行国庫局
(のうしょうむしょうとっきょきょく にほんぎんこうこっこきょく)
・専売特許許可局 東京特許許可局
(せんばいとっきょきょかきょく とうきょうとっきょきょかきょく)
・寿限無 寿限無 五劫の摺りきれ 海砂利水魚の水行末
(じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょのすいぎょうまつ)
雲来松 風来松 食う寝るところに住むところ
(うんらいまつ ふうらいまつ くうねるところにすむところ)
やぶらこうじのぶらこうじ
パイポパイポ パイポのシューリガン
シューリガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーの
ポンポコナーの長久命の長助
長くなる、と口が回らなくなり、発音が乱れてきますね。
止まってしまう発音をみつけ、その発音のトレーニングも行ってみましょう!
この反復練習で徐々に滑舌が改善されていくでしょう。
6. +αの伝わる話し方
滑舌が良くなったとしても、音質がバラバラでは相手もうまく聞き取れません。
より相手へ届く、「伝え方」について考えてみましょう!
6-1. 声のトーンを意識してみよう
声のトーンとは、言葉で「感情」を伝えるための音の高音のことです。
シチュエーション別に見ていきましょう!
・自信や誠実さを伝える
→声のトーンを明るく、明瞭に
・安心や冷静を伝える
→声のトーンを低めに、ゆっくり
・焦りや緊張を伝える
→声のトーンを高く、早口で
・悲しみなどマイナスな感情を伝える
→声のトーンを低めに、暗めに
このように、伝えたい感情によって声のトーンをコントロールしましょう!
6-2. 言葉に抑揚をつけて印象づけよう
抑揚をつけると言葉が相手にスッと入り込み、自分の印象を強めることに繋がります。
抑揚をつけるポイントを2つまとめています。
ポイント①最初の言葉をはっきり発音する。
例えば…
「私は 営業の 山田花子です。」
↓
「わたしは えいぎょうの やまだ はなこです。」
このように、太文字の部分をはっきり発音することで、言葉を全体的に印象付けることができます。
ポイント②声のトーンの組み合わせ
先ほどもご紹介した声のトーンを、会話の中で組み合わせていきましょう。
感情や伝えたい印象ごとに声の音程をつけることで、強調したいことがしっかり伝わります。
7. まとめ
滑舌をよくするには毎日意識して、はっきりした発音を習慣にしていくことが大切!
滑舌の変化が結果として出ているか、定期的に人と話す機会を増やしていくのもいいでしょう。
伝えることに自信が持てると、心に余裕ができ、人生を豊かにしていきますよ。
ぜひ今日から1ヶ月、「自分の話し方」と向き合ってみませんか?