制作会社とは?
広告制作会社やWEB制作会社など「制作会社」と言ってもジャンルは様々ですが、今回はテレビやラジオなどの番組を制作する制作会社を紹介します。
番組制作会社では、制作した番組をテレビ局に販売し、テレビ局から放送されることになりますが、制作会社が作った番組をテレビ局に販売する方法は、主に2パターンあります。
制作会社の番組制作とテレビ局の関係
①テレビ局から依頼を受けて番組制作をする
➁制作会社で企画をして作った番組をテレビ局に販売する
基本的には、どちらかの方法で制作会社とテレビ局でやり取りがされています。
テレビやラジオの番組を作っている制作会社について、働き方や仕組みなど、詳しく紹介していきます。
制作会社の仕事内容
制作会社では、番組を作るために、どのような業務が行われているのか、仕事内容を解説します。
制作会社の業務内容
・番組の企画を考える
・取材、撮影
・映像編集 …他
テレビ局からオファーを受けて制作する番組の場合は、ある程度の企画が決まっている番組もありますが、どんな番組でも高視聴率を狙う面白い番組を作るためには、リサーチや取材など手間のかかる仕事もしっかりやっておかなければいけません。
撮影から映像の編集まで、番組として放送できる状態にまで仕上げるのが、制作会社の仕事です。
では、次に制作会社で働く人の業種について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
【制作会社で働く業種】
ディレクター
番組制作の中心となり、企画、撮影、編集など全ての業務で指揮をとるのがディレクターです。
番組の予算や出演者も含めた、番組の責任者となるのは、テレビ局のプロデューサーですが、現場で監督のような立場として指示を出すのは、ディレクターとなります。
AD(アシスタントディレクター)
その名の通り、ディレクターのアシスタントを務めるのが、ADです。
主に、番組制作の現場で働くので、ディレクターやプロデューサーを目指す人が、下積み経験としてADからスタートするパターンも多いです。
技術スタッフ
番組を作るために欠かせない、カメラマン、照明スタッフ、美術スタッフです。
専門的な知識が必要になるので、主に専門学校などで学んだ経験がある人、または、アシスタントの経験がある人が担当します。
映像編集者
映像編集は、撮影した映像を番組として仕上げる工程になります。
テレビ番組でよく見るテロップや、BGM、効果音、ナレーションなどを入れて、映像をより見やすく、面白いものに作り上げる仕事です。
映像編集の仕事も、専門的な技術や知識が必要な業種になります。
最近は「テレビ離れ」という言葉をよく聞くようになり、実際にネット配信番組やYouTubeなど、好きな動画を好きな時間に見られるコンテンツが増えて、テレビを見る時間が少なくなった人は多いのではないでしょうか。
その影響もあり、番組の制作費を削減するテレビ局も増えて、番組制作を請け負う制作会社でも、低予算で過酷な番組制作を行わなければいけないことも増えています。
そのため、制作会社を辞める人が増えて、番組の質が下がるという事態も深刻になっています。
制作会社では、今まさにテレビ業界を救う、アイデアが豊富で優秀な人材を求められています。
テレビ局との違い
テレビ番組を作っているのは、番組制作会社とテレビ局ですが、それぞれの違いは何でしょうか。
現在放送されているテレビ番組は、テレビ局ではなく、制作会社が作っている番組の方が多くなっています。
制作会社が番組を作り、その番組をテレビ局が買って放送しています。
↓
制作会社(下請け)
この関係性からも分かるように、テレビ局の仕事は放送することであり、制作会社の仕事は番組を作ることがメインとなります。
もちろん、テレビ局でもニュースや報道番組を中心に、番組を作ることもあります。
しかし、番組制作はほとんどが企画の段階から、制作会社が中心に行っており、プロデューサーのみがテレビ局の社員で、他のスタッフは全員が制作会社の社員という番組も多いです。
【テレビ局と制作会社の就職の違い】
日本のテレビ局は、地上波民放キー局が5局と、公共放送のNHK、その他ローカル局やBS、CSなど色々ありますが、数は多くありません。
それに比べて、制作会社は小さな会社も合わせれば、かなりの数があります。
その分就職も、テレビ局の方が難関だと言われており、実際にテレビ局の就職には学歴や資格、経験が問われる傾向にありますが、制作会社では厳しく問われることは少ないでしょう。
【テレビ局と制作会社の収入の違い】
テレビ局も制作会社も、非常に忙しく、業務が多い仕事で、入社してから数年は「AD(アシスタントディレクター」として働くなど、業務内容も似ていますが、年収には違いがあります。
テレビ局と制作会社の年収
【入社1~3年目の平均年収】
・テレビ局→400~500万円
・制作会社→250~350万円
また、テレビ局ではプロデューサーになれば、年収が1,000万円を超えると言われていますが、制作会社の社員の場合、年収が1,000万円を超える人は少ないでしょう。
しかし、テレビ局に比べて、制作会社は数も多く、常に求人募集も行われているので、就職できる可能性も高くなります。
テレビ番組の制作に携わる仕事がしたい人は、求人募集を探してみてはいかがでしょうか。
制作会社で働く方法
制作会社は、求人募集が豊富な業種です。
しかし、制作会社と言っても、それぞれに特徴や得意分野は違うので、自分の知識や技術が活かせる会社や、興味のある仕事ができる会社を選びましょう。
例えば、大手の会社であれば、部署も細かく分けられていますが、中小企業であれば、少ない人数で様々な業務を行っている会社もあります。
また、「映像系」「技術系」など、特定の業種に力を入れている会社もあります。
制作会社には、テレビ局の関連会社と、特定のテレビ局との関連はない独立型の制作会社に分かれます。
それぞれの特徴を紹介します。
テレビ局関連の制作会社
・NHKの「NHKエンタープライズ」フジテレビの「フジクリエイティブコーポレーション」TBSの「TBSビジョン」のように、それぞれの局の関連会社として、テレビ局の番組を中心に作っている制作会社です。
その他の制作会社
・特定のテレビ局との関連がなく、さまざまなテレビ局からの仕事を請け負うので、仕事の幅が広いのが特徴です。
このように、制作会社と言っても会社によって請け負う仕事の内容も違えば、働き方も様々です。
人気番組を作っている制作会社
最後に、人気番組を制作している制作会社を紹介します。
株式会社テレビマンユニオン
テレビ局関連ではない番組制作会社として、最も歴史がある会社で1970年に設立されています。
新しい演出、新しい文化を作ることをテーマに、多彩なジャンルの番組を、数多く制作している会社です。
株式会社テレビマンユニオン
【所在地】
・東京都渋谷区(本社)
【制作番組】
・世界ふしぎ発見(レギュラー番)
・遠くへ行きたい(レギュラー番組)
・前科者(映画)
・あゝ、荒野(映画)
・彼とオオカミちゃんには騙されない(ABEMA)…他
株式会社ハウスフル
1978年に設立された、株式会社ハウスフルは、長期間レギュラー番組として人気の高いバラエティ番組を中心に「THE鬼タイジ」など、人気の特番もたくさん作っています。
株式会社ハウスフル
【所在地】
・東京都港区
【制作番組】
・タモリ俱楽部(レギュラー番組)
・出没!アド街ック天国(レギュラー番組)
・秘密のケンミンSHOW極(レギュラー番組)
・坂上&指原のつぶれない店(レギュラー番組)…他
株式会社極東電視台
「ウッチャンナンチャンのウリナリ」でブラックビスケッツのオーディションを担当していたプロデューサー、中村昌哉さんが、1999年に設立した制作会社です。
チームワークを大切に、会社と従業員の幸福を追求すること、人々に夢と希望、感動や喜びを提供することをモットーにする番組制作をしている会社です。
株式会社極東電視台
【所在地】
・東京都港区
【制作会番組】
・月曜から夜更かし(レギュラー番組)
・世界の果てまでイッテQ[!(レギュラー番組)
・ニンゲン観察バラエティモニタリング(レギュラー番組)
・有吉の壁(レギュラー番組)…他
制作会社で働けば、人気番組の制作に携わることができるかもしれませんね。