試合や会議、面接やオーディションなど、緊張しやすい場面でガチガチになってしまったという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
どうすればその緊張をほぐせるのか、緊張しないで済む方法は誰もが知りたいと思いますよね。
「自分だけが緊張しているのではないか」
「あがってるのは自分だけではないか」
…と思ってしまって、深刻に捉えてしまうことも。
実は、緊張はとても多くの方の悩みであり、また緊張することは悪いことだけではありません。
ここでは、
・緊張してしまう原因
・緊張のほぐし方
・緊張とうまく付き合っていく方法
をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてくださいね!
Outline
1.緊張するメカニズム
そもそも、なぜ人は緊張してしまうのか。
人が緊張してしまう原因は、
・本能によるもの
・過度な相手への意識
・トラウマ
…の3つが考えられます。
自分がどのタイプに当てはまっているか、ぜひチェックしてみてくださいね。
1-1.本能によるもの
一つ目の原因は本能によるもの。
人は自分を守ろうとする防衛本能が働くと、緊張が起こります。
・スポーツの試合前
・プレゼンテーションの前
・試験
…など非日常時、無意識のうちに興奮したり高揚感を感じた経験があると思います。
この緊張感やストレスを感じると脳内でアドレナリンが分泌され、覚醒させたり集中力を高めます。
アドレナリンの効果
・普段以上の力を発揮できる
・集中力が高まる
このアドレナリンは適度であれば普段以上の力を発揮出来たり、高いパフォーマンスをするために大きな結果を出してくれる助けとなるため、緊張は人にとって瞬間的に集中したい時や自らを高めるためには欠かせないものでもあるのです。
しかし、そのような本能的な緊張が心を乱したり、「緊張したらうまくいかない」とネガティブに思ってしまいます。
ゆえに「緊張すること=失敗」の構図が出来上がってしまうのです。
事前準備や情報収集、イメージトレーニングをしっかりしておくことがとても重要です。
1-2.過度な相手への意識
緊張してしまう二つ目の理由は、必要以上に相手を意識してしまうことです。
相手に対して「苦手」や「敵」と意識してしまうと途端に緊張してしまいます。
「失敗してはいけない」などと意識しすぎるために、警戒心・恐怖心が働くのです。
逆に、好意を持っている相手や憧れている人物などと対面したときにも、普段以上に自分を「良く見せたい・大きく見せたい」という意識により緊張感は生まれます。
人は自分が思っているほど相手のことを気にしていないもの。
自分を過小評価したり、苦手や怖いと意識しすぎないこと、緊張しているのは自分だけではないと意識を変えることが大切です。
1-3.トラウマ
過去の失敗や辛い経験が思い出されて緊張する「トラウマ」は、緊張する原因の中でも少し深刻と言えるケースかもしれません。
同じような場面でフラッシュバックが起き、条件反射的に体が震えてしまったり…。
・強く記憶に残った失敗
・対人関係のトラブル
・悲しい出来事
…など、普段は忘れているのに、ある特定の環境に対峙するとその時の感情が思い出されたり体が反射的に作用し大きな緊張状態に陥ってしまいます。
社会不安障害(SAD)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)もこのトラウマが一因になっており、症状が深刻であると判断されれば専門医などで適切な処置を受けることが必要になってきます。
緊張する3つの原因
①本能によるもの
②過度な相手への意識
③トラウマ
緊張していることに自己嫌悪を感じたり、ネガティブに捉えすぎることは緊張をより悪化させます。
「ある程度の緊張はごく当然の生理現象だ」と考えることが大切です。
2.緊張をほぐす方法
緊張を感じた時、またこれから緊張し過ぎないように自分をコントロールするために、緊張をほぐす方法を3つご紹介します。
・深呼吸
・客観視して受け入れる
・身体から和らげる
大事な場面に直面する時、ここぞという時は是非試してみてくださいね。
2-1.深呼吸
人の自律神経は2種類に分かれます。
・交感神経…気分が高まり興奮する
・副交感神経…気分が静まりリラックスする
何かしらのストレスが与えられると、緊張の元となる交感神経が作用するようにと脳が指令を出します。
深呼吸をすることによって交感神経から副交感神経に切り替わり、リラックスした状態になることができます。
正しい深呼吸の方法
①肩は上げずに楽な姿勢になる
(椅子に軽く腰掛けるとやりやすい)
②片手をわき腹(横隔膜)のあたりに置き、もう片手を胸の上に置く
③口を口笛をするときのような「ふ」の発音の形にすぼめ、吸った時にお腹が膨らみ、吐いた時はお腹が凹むことに注意しながらゆっくりと呼吸を繰り返す
深呼吸で副交感神経を優位にし、神経からリラックスをさせてあげましょう。
2-2.客観視して受け入れる
・緊張やストレスが多い
・不安になりやすい
・ネガティブに考えすぎてしまう
・完璧主義で少しの失敗も許せない
…このような緊張は「意識を変える」だけでストレスが和らいだり、緊張をうまくコントロールできるようになります。
そのためには自分自身を客観視すること。
例えば緊張してきたと思ったら「ちょっとハラハラしてきたな」「体がフワフワしてきたぞ」などと、自分の状況について客観的に言語化してみます。
そしてそんな自分に対して「大丈夫、緊張して当たり前」と問いかけたり、「むしろこの緊張でいい結果が出せそうだ」と逆転の発想で緊張している状態を受け入れるようにしましょう。
初めは少々難しいかもしれませんが、まずは自分で自分の実況中継・ポジティブな言葉を思い浮かべることからトライしてみましょう。
2-3.身体から和らげる
緊張してしまいそうな時、気持ちを落ち着かせたい時には身体に外から適度な刺激を与え副交感神経を働かせるのも効果的です。
・緊張をほぐす「ツボ」を押す
・太陽のひかりを浴びる
・緊張を落ち着かせる食事を摂る
どれも気軽に始められるものなので、ぜひ試してみてくださいね。
①緊張をほぐす「ツボ」を押す
緊張しているときは、効果的なツボ押しで気分をリラックスさせましょう!
・合谷(ごうこく)
全身の痛みを和らげる事から万能のツボと呼ばれ、手足の冷えや肩こりの改善、目の疲れにも効果的。
・労宮(ろうきゅう)
心の疲れに効くツボで、血行が良くなり、カラダの緊張を緩和させたり気持ちを落ち着かせる作用がある。
②太陽の光を浴びる
別名「幸せホルモン」と呼ばれる”セロトニン”は、心身の安定や心の安らぎなどにも関与する人にとって欠かせない三大神経伝達物質の一つです。
これは、精神・睡眠や体温調整に大きく関わってきます。
人が幸せや心の安らぎを感じるために欠かせないこのセロトニンは、太陽の光を浴びることで活性化することができます。
大事な予定がある朝はもちろん、日頃から出来るだけ時間をとって日光浴をしてみましょう。
③緊張を落ち着かせる食事を摂る
先ほどご紹介したセロトニンは、
・トリプトファン
・ビタミンB6
を摂ることで分泌の助けになります。
セロトニン分泌を助ける食品
・魚
・肉類
・大豆・納豆・味噌など豆食品
・ナッツ類
これらの食品を積極的に摂ることは、食生活の改善も心の健康には大切です。
また他にも、ホットミルクには休息やリラックスへ導く副交感神経を働かせる作用があるため、緊張で眠れない日や日頃から寝付きが悪い方にもオススメです。
3.専門機関を利用する
緊張がどうしても緩和されない、あがり症や対人恐怖症などの心配が強い場合は専門的に見てもらうのも一つの方法です。
ここでは緊張を克服するための選択肢を4つご紹介します。
・養成所に行く
・病院に行く
・行動療法
・薬で治す
…この4つの方法を順にご紹介します。
3-1.養成所に行く
声優や俳優などの人材を育成する養成所は、生徒は全員堂々としていて自分に自信があるイメージが強いという方も多いのではないでしょうか。
初めは緊張で何もできなくても同じ境遇の友達と話したりレッスンを通じて必要以上の緊張をしなくなったり、緊張はするけれど自分をコントロールする方法を身につけるために養成所はとても効果的です。
もし歌や演技などに少しでも興味を持っているのであればなおさら、緊張とうまく向き合うきっかけに、自分を変えるチャンスとしても足を運んでみてはいかがでしょうか。
~高い実績と人気を誇る養成所~
①テアトルアカデミー
1980年に創設され、以来さまざまな分野で活躍できる数多くのタレントを養成してきた総合芸能学院テアトルアカデミー。
応募対象は0歳から40歳以上と幅広く、さらに最短3か月でプロデビューの実績もあることも特徴。
またオーディションは無料のため、誰でも気軽に受けることができる。
テアトルアカデミーのオーディションは、
「芸能界を目指すなら!テアトルアカデミーのオーディションの全て」
も合わせて参考にしてみてくださいね。
所属タレント:鈴木福、小林星蘭、脇智弘、小林花音 など
事務所:東京、札幌、千葉、埼玉、愛知、大阪、福岡 など
②エイベックス アーティストアカデミー
これまで数多くのトップアーティストを輩出してきたエイベックスアーティストアカデミー。
基礎から学べるクラスはもちろん、インターナショナルクラスでは英会話と複数受講が可能など、独自の特徴を持っている。
またライブイベントやオーディション、レコーディング実習など実践的なプログラムが多く用意されているのも強みの一つ。
所属タレント:TAKAHIRO、板野友美、今市隆二 など
事務所:東京、大阪、名古屋、福岡 など
③ワタナベエンターテイメントカレッジ
俳優、タレント、声優、歌手、モデルなどのプロを育成するワタナベエンターテイメントカレッジ。
併設プロダクションにワタナベエンターテイメントがあり、スクールは他にもキッズコース、コメディなど各分野で活躍する人材を育成する「ワタナベエンターテイメントスクール」、エンターテイナーとしてのダンサーを育成する「ワタナベ ダンスアカデミー」などがある。
所属タレント:イモトアヤコ、ふかわりょう、山田裕貴、志尊淳 など
事務所:東京
3-2.病院に行く
強いあがり症やSADの傾向がある方は病院に行くことも一つの方法です。
あがり症は、実は「日本人の8割」に当てはまると言われるほど一般的です。
初めは緊張してしまう自分に対して向けられていた嫌悪感や否定が、今度はいつの間にか病院に行けない自分を責めているのです。
病院に行くというハードルを超えたときに、できなかったことが出来たことで自分を受け入れられるように変わっていくのが大きな意味を持っています。
3-3.行動療法
心療内科などで行う治療方法の一つに行動療法があります。
行動療法では、苦手なシチュエーションにあえて意識的に立ち向かうことで、少しずつ克服していきます。
挑戦した方は最終的に目標に辿り着いた時、思っていたよりも意外と大丈夫だったと思うことも多いといいます。
あえて苦手な状況に「自分を晒す」行動を取ることによって徐々に苦手な状況に慣れていくことを目指すこの治療は、少々荒いように感じるかもしれません。
3-4.薬で治す
「薬」と聞くと抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、そんな方は副作用の少ない漢方からトライしてみることをおすすめします。
身体のこわばりを緩め、血行を促進してくれ、緊張、不安などの症状を改善してくれるほか不眠症にも効果があります。
ただしあまり薬を服用しすぎると薬に対しての依存が強くなってしまう恐れや、常用すると耐性ができて次第に効き目が薄れてしまうので、日常生活が送れないほどに重度の緊張感を持っている方などどうしても必要な場合以外は出来るだけ服用は控えましょう。
4.緊張することにはメリットも
最初にもお伝えしましたが、緊張することは悪いことばかりではありません。
緊張しやすい人や、あがり症の人の特徴は…
・真面目で誠実な人
・物事に真剣に取り組む人
・感受性が豊かな人
緊張しやすい人は、どんなことに対してもまじめにやろうとする傾向にあります。
「失敗してもいいや」「適当にごまかそう」と手を抜くことが苦手な分、大事なところで緊張してしまい、それが短所に感じるかもしれませんが、緊張感があるからこそ、準備を整えることができるのは、メリットともとらえられます。
また、真剣に取り組む姿勢は、見ている人からの信頼を得ることもできます。
また、見られることに緊張してしまう人も、オーディションの時など重要な場面では、損をしてしまうと感じるのではないでしょうか。
しかし、周りの人から「どう思われているのか」「良く見られたい」という気持ちが強いというのは「人を喜ばせたい」という気持ちに通ずるものがあります。
これは、エンターテイメントの世界で活躍するには、必要な気持ちです。
緊張してしまう自分を責めずに、受け入れて緊張感と向き合いましょう。
5.まとめ
初めて挑戦することや目上の人物と話すときなど、大なり小なり緊張するのは当然のこと。
緊張は、集中力ややる気が増してパフォーマンスが高まるとプラスに捉えてみたり、緊張している自分を否定しないことから少しずつ慣れていきましょう。