歌の上級者は何が違う!?
本当に歌が上手い「上級者」と言えるレベルになるには、何をすればいいのでしょうか。
歌の経験が長ければ、誰でも上級者というわけではありません。
全くプロのレッスンを受けたことがなくても、歌が上手い人もたくさんいます。
しかし、元々歌が上手い人でも、レッスンで歌のテクニックを習えば、さらに上手くなります。
歌が上手い人は…
・音程が正確に取れる
・リズム感がいい
・声量がある
・声質がいい
・音域が広い
などの特徴があります。
例えば、勘のいい人は、生まれ持った歌唱力があれば、歌手のマネをして歌えば、表現力があるようにも見せることができます。
しかし、これだけでは歌の上級者とは言えません。
上級者は、音程やリズム、呼吸法など基礎的なレッスンから、難しい歌唱テクニックまで、様々な技法を身に付けています。
「歌が上手い人」から「歌の上級者」にレベルアップするために、習得しておきたい歌のテクニックを紹介していきます。
歌の基礎練習
歌のテクニックを学ぶ前に、歌の基礎もしっかり身に付けておく必要があります。
リズム感や音程に自信がある人でも、もう一度基礎から練習しなおすと、さらに歌唱力が上がります。
歌の上級者になるために、やっておきたい基礎練習も知っておきましょう。
腹式呼吸
普段生活している時は、肩が上下に動く「胸式呼吸」をしている人がほとんどですが、横になって寝ている時には、横隔膜を使って呼吸する「腹式呼吸」になっています。
歌う時には、リラックスした状態の呼吸法である「腹式呼吸」を使うことが大切です。
いきなり腹式呼吸で歌を歌うのは、難しいので、最初は毎日呼吸の練習をすることからはじめましょう。
①5秒間かけて、お腹を膨らませながら鼻から息を吸う
➁5秒間息を止める
③10秒間かけてゆっくり口から息を吐く
※1日に5回繰り返し、慣れてくれば吐く時間を伸ばしていきましょう。
リップロール
唇を閉じたまま、唇を震わせてブルブルと空気を吐く練習方法です。
リップロールは、声帯を開いたり唇をリラックスさせる効果があります。
唇の緊張がほぐれると、裏声をキレイに出すことにも影響があると言われています。
①唇の力を抜いてブルブルと震わせます。
➁安定してできるようになるまで練習します。
③リップロールで地声や裏声などいろいろな声を出してみます。
歌の表現テクニック3選
表現力がなければ、心に刺さる歌は歌えません。
歌の世界観を表現して、聴く人を感動させる、上級者の表現テクニックを紹介します。
抑揚をつける
抑揚は、声の出し方に強弱をつける歌唱テクニックです。
音程やリズムが正確でも、ずっと同じ強さで歌うと、メリハリがない歌になってしまいます。
比較的簡単なのは、声量で抑揚をつける方法です。
声の強弱をつければ、サビなど盛り上げたい部分を強調して、歌にメリハリをつけられます。
もう一つは、声質で抑揚をつける方法です。
歌詞に合わせて、悲しい声、嬉しい声、切ない声など、声色を変えて歌うと、抑揚が付きます。
歌詞の世界観を表現する
カラオケで歌が上手い人でも、実は歌詞の意味を知らないままに歌っていることが多いのではないでしょうか。
プロの歌手の歌が心に響くのは、歌詞を何度も読み、意味を理解してその世界観を表現しているからです。
歌詞を何度も読み、意味を理解することで、歌っている本人が世界観に浸ること府が大切です。
表情をつける
デビュー前の歌手でも、苦戦するのが、表情をつけて歌うテクニックです。
顔の表情をつけて歌うと、視覚からも相手に表現を伝えられるだけではありません。
顔の表情筋を動かすことで、口元や喉に無駄な力が入らずに、リラックスした声を出すことができます。
歌唱テクニック9選
次に、上級テクニックを使って、さらに歌を上達させていきます。
曲の雰囲気に合わせて、テクニックを自然に入れてみましょう。
ビブラート
ビブラートは、声を震わせるテクニックです。
歌のフレーズの語尾を、音を揺らすように声を出すと、音に表情が付き、聴き心地も良くなります。
ビブラートには、横隔膜を揺らす方法と、喉や口、顎を揺らして出す方法があります。
こぶし
演歌の節回しとして知られる「こぶし」は、語尾の母音の余韻で、声を震わせるテクニックです。
規則正しく音の高低差を繰り返すビブラートとは違い、こぶしは不規則な変化をつける技術です。
抑揚のついた、個性的な歌い方にするために、演歌以外の楽曲にも使われています。
しゃくり
「しゃくり」は、低い音から本来の音の高さに、なめらかに声を出す技法です。
しゃくりは、声帯への負担を減らす効果もありますが、強調したい部分で使っても、感情が伝わりやすくなります。
ロングトーン
1つの音を長く発生する歌唱テクニックです。
歌の語尾で「あ~~」と声を伸ばし、ビブラートも一緒に使うことが多いです。
長く安定したロングトーンができれば、伸びのある歌声で、パワフルな歌唱ができます。
ロングトーンを上手く使うには、腹式呼吸などの基礎や、声量、発声も必要です。
フォール
「しゃくり」と反対に、「フォール」は本来の音から低い音になめらかに下げる技法です。
ロック系の歌手がよく使っており、なめらかにフォールを入れなければ、音程が外れたように聞こえるので、難しいテクニックです。
タングトリル
「タングトリル」とは、簡単に言うと巻き舌のことです。
洋楽のアーティストがよく使うテクニックですが、日本語の歌でも使うと、高揚感を演出することができます。
やり方は、舌先を上あごに付けて息を吐きますが、コツを掴むまでは難しいかもしれません。
舌の力加減や、息の強さを調節してみましょう。
スタッカート
「スタッカート」は音を短く切って歌う技法です。
軽やかさや力強さを表現することができ、なめらかになりすぎないので、聴いている人も飽きません。
音の間に「ッ」を入れて歌うイメージです。
フェイク
原曲のメロディを、少しだけ変えて歌うことを「フェイク」と言います。
大きく変えると「アドリブ」になりますが、フェイクは原曲になぞらえてリズムや音程に変化を加えるイメージです。
歌にフェイクを入れると、表現力が豊かな歌唱になります。
アクセント
「アクセント」は音の強弱のことで、強調したい部分を強く歌えば、抑揚を付けることができます。
また、リズム感を出すこともできるので、平坦になりやすい曲でも、メリハリを付けて歌えます。
声のテクニック4選
最後に、声の出し方のテクニックについて紹介します。
歌手でも、1曲の中で様々な声の出し方をして、歌を表現しています。
声の出し方の技法が身につけば、どんなジャンルの歌も上手く歌えるようになりますよ。
ファルセット
ファルセットとは、裏声のことです。
高音を出すための発声技術で、人気の歌手もファルセットで高音を出している人はたくさんいますよね。
透明感のある綺麗なファルセットを出せるようになれば、地声の音域よりも、高い音の歌も歌うことができるので、絶対に身に付けておきたい技法です。
ミックスボイス
「ミックスボイス」は地声(チェストボイス)と、裏声(ファルセット)の中間の声です。
高音も、完全に裏声ではなく、ミックスボイスで歌えれば、声帯への負担も軽減されます。
ミックスボイスを出すには、鼻腔共鳴(鼻の奥で声を響かせる)が出来なければいけません。
ウィスパーボイス
ささやくように、息が混ざった声を「ウィスパーボイス」と言います。
優しく甘い印象を演出できるので、バラードなどのしっとりと歌いたい曲で使うと、世界観を演出できます。
しかし、ささやくといっても声量がなくなってしまっては、歌の魅力も半減するので、肺活量を使う技法です。
エッジボイス
「エッジボイス」は声帯を閉じて声を出す歌唱テクニックです。
「ボーカルフライ」とも呼ばれ、声帯を閉じて声を出すことで、空気が通る隙間を狭くして高音を出します。
高音をキレイに出す練習になるので、是非身に付けておきたい歌唱技法です。
歌の上級者になるためには、たくさんのテクニックが必要ですね。
大変そうに思うかもしれませんが、1つずつ練習していけば、全ての技術が向上するので、やりがいがあります。
基礎から練習して、歌唱上級者を目指しましょう。