イヤイヤ期はいつ?
イヤイヤ期は「魔の2歳児」とも言われ、多くの子供は2歳前後にやってきます。
あれもイヤ!これもイヤ!と、パパやママにとっては、本当に大変な時期でもありますよね。
赤ちゃんの時には、泣いてぐずっても、抱っこや授乳で落ち着くことが多かったものの、2歳になると、自分の意思がはっきりして、体も自由に動かせるようになるため、簡単には落ち着いてくれないことも多々あります。
例えば…
・公園から帰りたくなくてイヤイヤ
・自分でやりたいのにうまくできなくてイヤイヤ
・ご飯を食べるのをイヤイヤ
・歯磨きがイヤイヤ
など、日常生活のあらゆるシーンでその時はやってきます。
しかし、子供の「イヤイヤ」には意味があって、成長している証拠でもあります。
「イヤイヤ期」の大変さを子供の成長をチャンスに変えるために、やっておきたいことを解説していきます。
イヤイヤ期はなぜやってくるの?
子供のイヤイヤ期は、ただのワガママではありません。
子供が「イヤイヤ」と言い出す理由について見ていきましょう。
【子供のイヤイヤ期が起こる理由】
①自立心の芽生え
これまでは、パパやママにあたりまえのようにやってもらっていたことを「自分でやりたい」という自立心が芽生えた証拠です。
「フォークを持って食べてみたい」
「コップに水を注いでみたい」
「自分で靴下を履いてみたい」
こういった自立心は、イヤイヤ期にしっかり育んでいくことで、自分でできることがどんどん増えます。
また、その成功体験が、自己肯定感を高めるきっかけにも繋がります。
②社会性の芽生え
イヤイヤ期の子供は、パパやママなど、家族だけの関わりだけで起こるわけではありません。
お友達との関わりでもイヤイヤが止まらず、親が焦る場面も増えるでしょう。
おもちゃの取り合い、場所の取り合いなど、お友達との間で自己主張するのは、社会性が芽生えた証拠です。
・おもちゃを独り占めしてしまう
・順番が守れない
・お友達のおもちゃを取ってしまう
など、パパやママからすれば「ワガママな子供に育ってしまったの?」と不安になることも多いですよね。
しかし、子供のイヤイヤ期は、このようなやり取りを繰り返して、コミュニケーションを覚えていきます。
今できなくても焦る必要はありません。
イヤイヤ期で芽生える社会性で、コミュニケーション能力を磨いていきましょう。
③親との信頼関係
イヤイヤ期の子供は、初対面の人や、慣れていない人に対してよりも、パパやママ、兄弟など身近な人に対して強く出やすいです。
それは、家族を「自分のことを分かってくれる人」「自分にとって特別な存在」と認識しているからです。
子どもが親を信頼してぶつかっているため、この時期に信頼関係を確立していくチャンスでもあります。
④感情表現が豊かに
イヤイヤ期で、泣いて怒る子供は、必死で自分の感情を伝えようとしています。
何度も繰り返すと、パパやママがイライラしたり「もう知らない!」と言ってしまうかもしれませんが、気持ちを分かってあげることで、感情を表に出すことを覚えます。
感情表現の豊かさは、情操教育でも非常に重要な部分です。
イヤイヤ期の子供の様子
イヤイヤ期の子供の様子を見ていて、親が不安に思うことは何でしょうか。
イヤイヤ期の子供の様子
・大声で泣きわめく
・物を投げる
・親や友達をたたく
・自分をたたく
・奇声を発する
・暴れる
このような子供の様子を見ていると、他の子供よりもワガママに感じてしまったり、感情のコントロールができないのではないかと不安になることもありますよね。
周りの同世代の子供に比べて、癇癪を起こしやすいと、発達障害などの可能性を考える親も多いでしょう。
イヤイヤ期も子供の性格や個性によって現れ方が全く違います。
外では全く癇癪を起こさない子供でも、家の中や親の前でだけ泣いて暴れるという場合もあります。
「うちの子だけイヤイヤ期がひどすぎる」など、他の子供と比べてしまうこともあるかもしれませんが、イヤイヤ期にも個人差があることは覚えておきましょう。
しかし、子供を見ていて、何か不安に感じる様子があれば、専門医に相談してみると安心です。
イヤイヤ期の成長を逃さないために
イヤイヤ期は、自立心や社会性など、様々な心の成長をしている段階です。
この時期の関わり方で、子供の健やかな成長を促す事が出来ます。
イヤイヤ期の子供との関わり方や、困った時の対処法を解説していきます。
【健やかな成長を促す子供との関わり方】
子供の気持ちを共感する
イヤイヤ期は、親との信頼関係を築く重要な時期でもあります。
子供は、自分の感情を必死に親にぶつけているので、パパやママが「泣き止まなかったら怒るよ」「泣き止まないとおやつをあげないよ」と言って、子供の感情を無理やり抑えようとせず「嫌だったんだね、悲しかったね」と共感してみましょう。
子供が「自分の気持ちを分かってくれた」と感じる事で、親への信頼を積み重ねていきます。
そこから少しずつ「泣かなくても大丈夫だよ」と声をかけて、気持ちを理解してあげれば、泣いたり暴れたりしなくても、パパやママは分かってくれると伝わります。
ルールを作る
社会性も育ち始めているイヤイヤ期では、少しずつルールや約束を守ることも理解できるようになります。
公園から帰りたくなくて大泣きしたり、おやつがもっと食べたくて物を投げるなど、自分がやりたいことを「もっとやりたい!」と主張します。
そんな時こそ、ルールや約束を守る練習のチャンスです。
公園に出かける前に「今日はお昼ご飯の時間になったら帰ろうね」「今日のおやつはこれだけで、なくなったらまた明日食べようね」など、あらかじめ約束をしておきましょう。
まだ小さい子供なので、すぐに守ることは難しく、約束をしていても「イヤイヤ」と泣いてしまうのも当然です。
しかし、何度か繰り返していると、素直に約束を守る時もあります。
守らない時に叱るよりも、守った時に「約束守ってくれてありがとう」「○○ちゃんが約束守ってくれたから、ママはご飯を作れたよ」など、ポジティブな声かけをすると、子供は「もう一度やってみよう」という気持ちになります。
成功を喜ぶ
「自分で靴下を履きたい」「フォークを使って食べたい」など、自立心が芽生えたものの、実際には上手くいかずに泣いたり暴れる子供もいます。
そこですぐに親が助けてしまうよりも、挑戦して成功する「成功体験」をたくさんさせてあげれば、自立心が育ちます。
例えば、フォークを使いたい時には、少しだけお皿に乗せた野菜やフルーツで挑戦したり、靴下を履くなどの着替えでも、途中まででもできれば「今日はここまでできたね、すごいね」と、子供が成功したと思える声掛けをしてあげるといいですね。
【困った時の対処法】
環境を変える
外出先で、子供が「お菓子を買って」「まだ帰りたくない」などの理由で癇癪を起こすこともよくあります。
そんな時には、その場を離れてみたり、近くにある子供が喜びそうな場所や物を見て「あそこに行ってみよう」と声をかけてみましょう。
環境が変われば、子供の関心はすぐに変わり、気持ちが切り替わることも多いです。
時間に余裕を持つ
例えば、早く出かけなければいけない時に、子供が自分で着替えたいと泣いたり、早く帰って夕食の支度をしなければいけない時に「帰らない」と泣いてしまうなど、時間に余裕がない時ほど子供のイヤイヤ期に困ってしまうものです。
そんな時には、子供の感情を無視して怒ってしまい、後で罪悪感を感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
イヤイヤ期の時には、できるだけ時間に余裕を持って行動しましょう。
余裕を持って着替えの準備をする、早めに「そろそろ帰ろう」と声をかけるなど、時間に余裕があれば、親も心に余裕が持てます。
親の気持ちをリセット
子供の癇癪がきつくて、パパやママの心に余裕がなくなった時には、気持ちをリセットしましょう。
大泣きして泣き止まない子供にずっと寄り添うのも大変ですよね。
心にも余裕がなくなってしまうかもしれませんが、好きな音楽を聴いたり、本を読むなど気持ちをリセットできる時間を持ちましょう。
周りに助けてくれる人がいれば、息抜きに1人で出かける時間も作れるとリフレッシュできますね。
イヤイヤ期は情操教育にも重要な時期
イヤイヤ期は、子供の感情・情緒を育てる情操教育にも影響が大きい時期になります。
今後の社会では、自分で考える力や創造力、個性など「心の豊かさ」が大切だと言われています。
イヤイヤ期で自立心が芽生え、自分や他人の感情を分かり始める時期だからこそ、心の豊かさを学ぶ情操教育にも注目しておきたいところです。
情操教育は、親や友達との関わりで学ぶ他、習い事を始めるのもおすすめです。
「イヤイヤ期だから習い事をするのは大変そう…」と思うかもしれませんが、イヤイヤ期だからこそピアノやリトミックで音楽的表現を学んだり、ダンス、スイミングなど、子供の心に良い影響を与える習い事を始めるのに適したタイミングです。
最近は、歌やダンス、音楽表現、読み聞かせなど、情操教育を意識したレッスンがまとめて受けられる幼児教室や芸能スクールで、子供の心の成長を促す人も増えています。
新しいことを始めるのは、親子にとってもリフレッシュになりますよ。