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競合ってどんなの? スポンサーや番組 覚えておきたい芸能界の制約について知っておこう

2021.12.13 / 未分類, 芸能人

競合とは?

芸能界で活動するには、様々な制約もありますが、中でも「競合」による制約には気をつけなければいけません。

芸能人は、CMなど広告の仕事をする場合、契約期間中は「競合」となるライバルの商品や企業の広告には出ることができません。

競合による制約とは、競合する商品の広告や、競合する企業の広告への出演が制限されます。
つまり、芸能人をキャスティングする時に、制限をかけるルールのことです。
今回は芸能界での競合による制約について、詳しく解説していきます。

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競合スポンサーの制約は?

芸能界における競合の制約で、最も多いのが、CMなどの広告での競合でしょう。
人気タレントであれば、同じ時期に10社以上のCMにしていることも珍しくありませんが、そんな時に最も注意しなければならないのが「競合」です。
例えば、A社のシャンプーのCMに出演しながら、B社のシャンプーのCMにも出演すると、視聴者が混乱してしまいますよね。

スポンサーの競合については、契約によって制限される範囲が違うので、いくつか例をあげてみましょう。

商品に競合がかけられる場合

・商品に競合がかけられている場合は、A社のシャンプーのCMに出演すると、B社のシャンプーのCMには出演できません。
しかし、B社が販売するシャンプー以外のCMには出演することが可能です。

企業に競合がかけられている場合

・企業に競合がかけられている場合は、A社のシャンプーのCMに出演すると、シャンプーを販売する企業の商品のCMには出ることはできません。

他にも、広告する企業が指定した特定の企業のみ出演不可となる契約もあります。
タレント側からすると、企業に対して競合がかけられると、他社のCMに出演する時には、より出演できる範囲が限られてしまいます。

例えば「花王」や「P&G JAPAN」などの大手消費財メーカーでは、食品、日用品、化粧品、家電、衣類など幅広い商品を提供しています。
そのため、CM出演の契約をする時に、企業に対して競合をかけられると、CM出演の制限がより強くなってしまいます。

競合の番組出演の制約は?

競合をかけられると、他のCM出演に対して制限がかけられるだけではありません。
テレビ番組や映画には、スポンサー企業が付いています。

特にA社のみが単独でスポンサーを務める番組に、ライバル会社であるB社の広告モデルが出演することは、例外を除いてありません。

さらに、芸能人が注意しなければいけないのは、テレビ番組のスポンサーにおける競合だけではありません。
スポンサー企業の広告費が収益源となるテレビ局にとって、同じ時間に放送される他局の番組は「裏番組」と言い、競合番組にあたります。
出演するタレントは、裏番組に出演することがないようにしなければいけません
制限されるのは、主に地上波全国ネット番組で、地方のローカルテレビやBS、CS放送では、そこまで規制は厳しくありません。

競合はなぜ必要?

競合による制約は、芸能界で活動するために、なぜ必要なのでしょうか。
競合による制約があることで、どのような効果があるのか見てみましょう。

広告の信用を保つ

競合となる商品のCMに同じタレントが出演していると、視聴者が混乱するだけでなく、商品の信用も失いかねません。
同じタレントが、競合となる複数の商品をPRしていては、説得力がなくなります。

商品の印象を強くする

CMにタレントを起用するのは、商品や企業の印象をより強くするためでもあります。
しかし、競合となる企業や商品のCMに同じタレントが出演していては、印象が弱くなってしまいます。

企業とタレントのイメージを損なわない

海外では、日本ほど競合の制約が厳しくない国も多いですが、慎重でイメージを大切にする傾向にある日本人は、CMでも誠実なイメージを重要視します。
そのため、競合するライバル会社のCMをかけ持ちする行為には、誠実さを感じません。
視聴者から見た、タレント、企業、商品のイメージを損なわないためにも、競合による制約は必要です。

その他の芸能界の競合は?

芸能界では、スポンサーや番組における「競合の制約」の他にも、注意しなければいけないことがあります。

雑誌モデルの競合

雑誌で活躍するモデルの場合、特定の雑誌の「専属モデル」になれば、競合となる雑誌に出ることはできません。
専属モデルは、競合の雑誌には出ることができませんが、ジャンルの違う雑誌やカタログなどは許可されている場合が多いです。

声優業界の競合

声優の仕事でも、アニメやゲームに出演する時に、競合による他の作品への制限がかけられる契約もあります。
さらに、声優はCMや広告のナレーションの仕事をする機会も多いですが、CMや広告のナレーションは、長く続く場合も多いので、競合を避けるためにも、アニメなどの仕事のように自分がナレーションを担当していることを告知できないという制約もあります。

競合の制約で起こるトラブル・注意点

競合による制約は、気をつけなければ、タレント、事務所、スポンサーの間でトラブルになってしまうこともあります。
最後に、芸能界の競合による制約で、起こりやすいトラブルと、知っておきたい注意点を解説します。

企業や商品のイメージが付きすぎる

あるタレントが、特定の企業や商品のCMに出演すると、インパクトの強いCMであったり、長期間出演し続けてるほど、その企業や商品のイメージが強くついてしまいます。
そのため、契約期間が終了しても、視聴者や他の企業側からすると、イメージが強く残ってしまい、起用しづらくなってしまいます。

競合をかけると契約金額は上がる

スポンサー企業側からすると、CMにタレントを起用した場合、競合による制約をしっかりとかけておいたほうが安心です。
しかし、タレント側からすれば、制約が強くなるほど、他の仕事が制限されてしまうので、競合による制限が強くなるほど、契約金額は高くなります。
そのため、お互いに納得のいく条件で契約しなければ、後にトラブルが起こる原因となりかねません。

競合によるSNSでのトラブル

最近は、芸能人がSNSを発信する時代ですが、ここでもタレントは競合による制約に注意しなければいけません。
例えば、A社とCMの契約をしているタレントは、SNSでA社の競合となる商品の宣伝となる写真や文章を投稿することは制限されています。
本人は宣伝をするつもりはなくても、自宅の背景に写った家電製品、テーブルに置かれた飲料水のペットボトルなど、何気なく写り込んだ商品にも注意が必要です。

芸能界の競業によるトラブル

CM、テレビ番組、雑誌など芸能界では、競合を意識しておかなければいけない場面がたくさんあります。
さらに、もう一つ知っておきたいのは、芸能人は芸能事務所に所属すると、他の芸能事務所は「競業」となります。
そのため、所属する時の契約書には「事務所を辞めた場合、〇年間芸能活動を禁止する」という条件が含まれていることも少なくありません。
事務所側からすれば、新人時代から育てて知名度を上げたタレントが、事務所を移籍することを阻止したいのは当然のことなので、このような契約条件が設けられています。

事務所の競業に対しては、事務所側とタレント側の言い分が対立して、裁判になるなどトラブルになることもあります。

芸能界での競合は思いがけないトラブルにも繋がりかねないので、タレントは常に意識しているということですね。

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