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役者に向き不向きはあるの?

2019.04.01 / 俳優

どんな職業にも「適性」はあります。ある分野では優秀な能力を発揮できる人も、別の分野になると目立たなくなることは珍しくありません。そして、役者の世界も例外ではないといえるでしょう。役者に向いている人、向いていない人がいるのは事実です。ただし、向いていない人でも性格を克服することは可能です。向いている人の特徴を知ることで、役者志望者は今後の訓練に活かせます。

この記事では、役者の適性について詳しく説明していきます。

役者に向いている人はどんなタイプ?

さまざまな職業の中でも、役者は特に格差がきびしい世界です。

売れっ子役者は映画やテレビに引っ張りだこで、高収入を得ることも夢ではありません。一方で、売れていない役者は副業をしなければ生活できないケースも一般的です。中には、アルバイト漬けの毎日に疲れてしまい、普通の仕事に転向する役者も少なくないのです。

そのため、役者が売れる前の下積み時代には不安が大きく、「自分は役者に向いているのだろうか」と自問自答している人は多いでしょう。そこで、次の段落からは役者に向いている人の特徴を紹介していきます。

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役者向きのタイプ1「人前で緊張しない」

まずは「人前で緊張しない」ことが役者志望者に不可欠な要素といえるでしょう。

なぜなら、役者とは基本的に人前でパフォーマンスを行う仕事だからです。舞台であれば大勢の観客を相手にしますし、テレビや映画でもスタッフに囲まれて演技をしなくてはなりません。自分が目立つ状態を楽しみ、力に変えられるくらいの性格でないと務まらないのが役者という仕事です。

もちろん、注目を浴びることでプレッシャーを感じるときもあるでしょう。しかし、そんなプレッシャーの下でこそ最高の演技を見せられるのが一流の役者の条件です。

一方、単なる「目立ちたがり」や「お調子者」であるだけでは現場に迷惑をかけてしまいます。

あらゆる作品はさまざまな人間の力で完成します。役者が勝手気ままに演じてしまうと、作品にこめられた意図が伝わらなくなるでしょう。そのため、俳優はスタッフの指示にもしっかりと耳を傾け、表現するだけの能力が求められます。

また、独りよがりな芝居は共演者に受け入れられません。優れた役者は相手の台詞や仕草を受けて自分の演技を変えられます。共演者との間を重んじられる人は、役者としての適性があります。

役者向きのタイプ2「人間観察が好き」

「ものまねや人間観察が得意」なのも役者の適性のひとつです。

たとえば、ものまねは発声や形態模写の練習になります。自分以外の誰かになりきらなければいけない役者にとって、ものまねは演技の基礎を磨ける遊びだといえるでしょう。

しかし、声や仕草を真似るだけではリアリティのあるものまねができません。

そこで表現されているのは他人の上辺でしかないからです。ものまねの精度を高めるには、対象の人物がどんな人間でどのように人生を歩んできたかまで考える必要があります。そのため、人間観察の習性がある人は役者向きです。電車やバス、人通りなどで周囲をじっくりと観察し、人生を思い描くのは立派な役者の訓練です。

ものまねや人間観察をしなくても、自分の想像力だけである程度の演技は行えます。しかし、深みのある演技にまでは到達できません。想像力に頼るだけでは経験したことのある感情しか表現できないからです。

未経験の感情を知るには、他人の心の奥にまで深く潜らなければいけません。想像力の限界を超えたとき、その演技は観客の心を打ちます。そこまでの領域に演技を高めるためには、人間観察をして自分でも模倣してみる姿勢が肝心です。

役者向きのタイプ3「理解力と適応力がある」

「理解力と適応力」も役者に向いている人の必須条件です。

作品における正しい演技を決めるのは役者の仕事ではありません。演出家が作品を俯瞰しながら、役者ごとに的確な指示を与えていきます。演出家の指示を理解し心から納得して演じるとき、表現は優れたものになるでしょう。

逆に、「自分が目立ちたい」「役者が作品をもっとも理解しているはず」と思い込んでいると、演出家の指示が耳に入らなくなりがちです。その結果、まったく的外れな演技をしてしまうことになり、周囲に迷惑をかけます。そんな役者には二度とオファーが舞い込んできません。

逆に、作品全体を見渡し、自分にはどんな役割があるのかを把握できている役者は現場で重宝されます。

そして、どれだけ現場になじめるかも役者の向き不向きを決める要素です。

映画にせよドラマにせよ舞台にせよ、作品にはたくさんのスタッフが参加しています。中には生理的に合わない人もいるでしょう。また、ほかのスタッフと意見が対立する可能性もあります。ときには建設的な議論も重要ではあるものの、基本的には協調性のある役者のほうが現場の空気を良くできます。コミュニケーション能力が高く誰とでも仲良くできる役者はスタッフから受け入れられやすいでしょう。

役者向きのタイプ4「精神的にタフである」

「精神的な強さ」も役者に求められる資質です。

役者は一般企業や公務員のような仕事と違い、常に現場が続くわけではありません。

一部のスター俳優をのぞけば、現場に参加している時期は忙しいものの、それ以外は空白のスケジュールを過ごすこととなります。仕事が空いていると、どうしても気持ちが沈んでしまい、考えもネガティブに偏っていきます。そこで、上手くいっていないときこそ前向きに努力を続けられる精神力が必要とされるのです。

また逆に、大きな仕事が入って自分を見失う役者もいます。

映画やドラマで大きな役を得ると一時的に高収入が得られるため、浮ついた気持ちになりがちです。しかし、税金や今後の生活費を考えると、「売れること」よりも「売れ続けること」のほうが大切です。理性をコントロールして、謙虚さを忘れない人が役者として長く成功できるでしょう。

それに、残念ながら役者の道をあきらめなければならないこともありえます。

その場合、普通の仕事に戻ると周囲の目線が気になる人もいます。「売れなかったから転職した」などと、心ない言葉を浴びせられる場面も出てくるでしょう。そうした状況に遭遇しても明るく振舞える精神力を養っておくと、将来的には役立ちます。

役者に不向きなタイプとは?

社会人としてまともな振る舞いができない人は、役者の向き不向きを語る以前の問題だといえるでしょう。

確かに、会社員と違い役者には社則や出勤時間が定められていません。しかし、常識を守れないと現場や所属事務所に迷惑がかかります。遅刻や忘れ物、深酒などが多いと周囲から信頼を失っていくでしょう。

また、体調管理ができない人も役者には不向きです。

睡眠不足で現場に行けば、肌荒れやクマを隠すためにメイクさんが苦労をします。風邪やインフルエンザにかかると、そもそも現場に行くことすらできません。役者の健康は自分1人だけの問題ではないので、規則正しい生活を送るよう意識しましょう。

そして、「異性関係」が派手な人も役者には不向きです。

異性関係が荒れているのはプロ意識の薄い証拠であり、業界から「使いにくい」という評価が定着してしまいます。さらに、役者に余計なイメージがついてしまうと、仕事の幅に影響します。スキャンダルに見舞われた役者を真面目な役柄で起用しようと考えるプロデューサーはまずいないからです。また、テレビCMやイメージキャラクターなどの仕事もオファーされにくくなるでしょう。

思わぬ素質が発見できる場合もある

役者の向き不向きは、自分で把握していない場合もあります。

引っ込み思案な人が演技を始めた瞬間に輝きを見せることも珍しくありません。また、演技経験がなくても真面目で人の意見をしっかり聞ける人は急成長する可能性があります。まずはレッスンを受けるなどしてから、自分の才能を見極めてみてもいいでしょう。

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