サウンドエンジニアとは?
サウンドエンジニアは音響技術者で、音楽を録音する過程で、ボーカル・コーラス・楽器など、それぞれのパートの歌や演奏に対し、機材を操作して、バランスを考えながら1つの曲を作る職業です。
サウンドエンジニアの他に「レコーディングエンジニア」と呼ばれることもあります。
例えば、CD制作では、アーティストが考えるイメージに合わせて、楽器などの音質や音量を考えて録音します。
ミキシングでのバランス調整や音圧の調整も行い、1つの楽曲をマスターテープに仕上げるまでが、サウンドエンジニアの仕事です。
専門的な知識や技術が必要となる、サウンドエンジニアの仕事について、詳しく紹介していきます。
サウンドエンジニアの仕事内容
サウンドエンジニアは、音楽制作会社や、レコーディングスタジオなどに就職するか、フリーランスで働くのが主な働き方です。
フリーランスで働くには、実績や人脈がなければ仕事のオファーがもらえないので、企業に所属して経験と実績を積んでから、フリーランスとして独立するパターンが多くなります。
サウンドエンジニアの仕事は「レコーディング」が主な仕事となります。
「ミキシング」や、最終工程となる「マスタリング」まで任されることもありますが、この作業は専門の技術者「ミキシングエンジニア」「マスタリングエンジニア」が担当する場合もあります。
サウンドエンジニアの仕事の流れ
①レコーディング
↓
➁ミキシング
↓
③マスタリング
音楽制作は、この流れで行いますが、それぞれの作業を詳しく解説していきます。
レコーディング
CDなどに録音されている音楽は、ボーカルや、楽器の演奏者、コーラスなど、それぞれが1人ずつ歌ったり演奏して録音をします。
そのため、それぞれのパートに合う機材やマイクを準備し、音質や音量を調節していきます。
良い楽曲を作るために、何度もやり直したり、繋ぎ合わせたりする手間のかかる作業です。
ミキシング
レコーディングが終われば、編集作業となる「ミキシング」という作業を行います。
レコーディングで録音した各パートの音を、音質やボリュームを見ながら、考えます。
楽曲全体のバランスが整えば、編集完了となります。
マスタリング
楽曲を作る最終工程となるのが「マスタリング」です。
楽曲の完成度を高める重要な工程になるので、エンジニアとしての腕の見せ所となるでしょう。
音圧や音量もバランスを整えて、聞く人にとって心地の良い音楽を完成させる工程です。
サウンドエンジニアになる方法
サウンドエンジニアになるために必要な資格や免許は特にありませんが、就職や転職の際に有利となる資格はあります。
持っておくと役立つ資格
サウンドエンジニアの仕事をするためにはもちろん、就職・転職の時にも、持っていると有利な資格を紹介します。
サウンドレコーディング技術認定試験
JAPRSが主催している認定試験で、音楽とテクノロジーの融合のために必要な人材育成を目的に、音響理論やレコーディング技術などを試験範囲として行われます。
・高校卒業以上、または同等の学力を有すると認められる人【次回試験日】
・2022年7月3日(日)
【受験料】
・5,500円(税込み)
【出題形式】
・四者択一マークシート形式(90分)
【審査基準】
・取得した点数により、A~Eまでのランクを認定します。
ProTools技術認定試験
こちらの試験も、JAPRSが主催しており、現在の音楽録音の標準機となる、アビッドテクノロジー社のPro Toolsに対応できる、優秀な人材を育成するための試験です。
・高校卒業以上、または同等の学力を有すると認められる人【次回試験日】
・2022年9月11日(日)
【受験料】
・5,500円(税込み)
【出題形式】
・四者択一マークシート形式(90分)
【審査基準】
・取得した点数により、A~Eまでのランクを認定します。
サウンドエンジニアになるために、資格が必ず必要という決まりはありませんが、専門的な機材を操作して作業を行うので、知識は必要です。
独学で学ぶ人もいますが、専門の機材を操作するので、専門学校などで学ぶ人が多いです。
サウンドエンジニアの専門学校
サウンドエンジニアを目指す人のために、必要な知識が学べる専門学校を紹介します。
東放学園音響専門学校
2年制の専門課程となる音響技術科では、サウンドエンジニア(レコーディングエンジニア)の他、コンサートPAやMAミキサーなど、音のクリエイターとしての知識や技術、感性も学ぶことができます。
東放学園音響専門学校
【場所】
・東京都
【学費】
・1年目納入金額/1,383,610円
・2年目納入金額/1,170,000円
HAL東京
ミュージック学科昼間部は、音楽制作の基礎からレコーディング技術までを習得し、プロとして活躍できるサウンドエンジニアを育成します。
プロと同じ環境で実践力を身に付ける環境が整っているのも嬉しい特徴です。
HAL東京
【場所】
・東京都
【学費】
・入学金/300,000万円
・1年間の学費/1,373,000円
サウンドエンジニアに向いている人
音楽的な知識と技術を要するサウンドエンジニアに向いている人には、どのような特徴があるのでしょうか。
サウンドエンジニアに向いている人の特徴
・音楽が好きな人
・コツコツとした作業ができる人
・音響機材に詳しい人
・楽器奏法の知識がある人
・音楽的なセンスがある人
・コミュニケーション能力が高い人
音楽に関わる仕事なので、音楽的なセンスや好きな気持ちは必要です。
また、音響の機材に関する知識だけでなく、ボーカルや楽器奏者との、意思の疎通をスムーズに進めるためには、楽器の奏法や歌唱に関する専門用語や知識がなければ、難しいでしょう。
有名なサウンドエンジニア
最後に、様々なジャンルの音楽業界で活躍している、有名なサウンドエンジニアを紹介します。
スティーヴ・アルビ二
Steve Albini(スティーブ・アルビニ)は、アメリカで活躍するサウンドエンジニア(レコーディングエンジニア)であり、ミュージシャンとしても活躍しています。
1980年代以降の、ロックシーンを代表するエンジニアとして評価されています。
国内外のアーティストの楽曲に、エンジニアとして参加しており、音響技術を学ぶ人の憧れの存在とも言われています。
Sadaharu Yagi
日本で生まれ育ち、大学卒業後にロサンゼルスのレコーディング業界で、働き始めたという柳貞治さん。
これまでに、グラミー賞とラテン・グラミー賞を受賞した経験もあります。
現在はカリフォルニア州に拠点を置いて活動していますが、エンジニアとして世界も認める実力を発揮しています。
サカタコスケ
京都出身のサカタコスケさんは「Perfume」や「ポルノグラフィティ」など、人気アーティストのレコーディングに携わるエンジニアです。
現在はアイドルやバンドの他、オーケストラなど幅広いジャンルの音楽作品を手がけています。
アーティストがイメージする音楽を、音響機材を使って形にしていくやりがいのある仕事ですね。