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役者を目指す人にやってほしい日々のトレーニングとは?

2019.07.18 / エンタメ, 俳優

「人前で演技をしてお金をもらう」という性質上、役者は特殊な仕事といえます。役者は、ルックスに優れた人が多いですが、それだけでやっていけるほど甘い世界ではありません。成功するためには、さまざまなトレーニングを積む必要があると心得ましょう。本記事では、役者として、日々どのようなトレーニングを積むべきかを紹介していきます。

役者を目指す人にやってほしい日々のトレーニングとは?

役者の基本的な能力として、まずは「大きな声を出せるかどうか」が重要になります。たとえば、舞台で演技をするとき役者は一番奥の客席まで声を届ける義務があるのです。しっかりとした声を出すためには、腹式呼吸のマスターが欠かせないでしょう。腹式呼吸を覚えれば、肺から息を送る量を自在に調整できますので、楽に大声を出すことができます。息を吐きすぎるなどの無駄がなくなるので、高い声も出しやすくなりますし、ビブラートもナチュラルになるでしょう。「緊張して声が出しにくい」と感じたときも、腹式呼吸を思い出せば、安定した発声を取り戻すことができます。腹式呼吸は、役者だけでなく声優やアナウンサーにも重宝されている呼吸法です。

腹式呼吸が苦手な人にありがちなのが、「お腹から声を出そう」としているパターンです。冷静に考えれば当然ですが、お腹から声は出ません。声は、肺から送り出される息が起点となります。腹式呼吸という名称のため、お腹が関連していると思うかもしれませんが、それは間違いです。腹式呼吸は、横隔膜をうまく使って、吐き出す息の量をコントールするのが正解となります。腹筋を鍛えても意味がないので、覚えておきましょう。

腹式呼吸のやり方をマスターするためには、感覚を習得することが大事です。まず、胸とみぞおちの下側にそれぞれ手をおいてください。次に精一杯息を吐きだします。みぞおちに風船が入ったイメージを持つとやりやすいでしょう。ギリギリまで息を吐き切ったら、約5秒間息を止め、鼻から息を吸います。このステップを繰り返せば、横隔膜を使った発声ができるようになるでしょう。

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トレーニング2.持久力をつける

役者は、ハードな仕事です。体力が要求される依頼も少なくはありません、役柄によっては全力疾走を何度も繰り返すようなシーンも想定されます。舞台は体への負担が大きいです。「1時間以上、舞台に出っぱなし」という状況もよくあるでしょう。また、役者は普通の仕事とは異なり、代わりがききません。代役を立てるのは、本当に最終手段です。仕事を受けたら、よほどのことがない限り、最後までやり遂げるのが役者の使命といえるでしょう。体調を崩さないためにも、定期的にランニングを行うなどして、持久力をつけておく必要があります。

全身を長時間に渡り、動かし続けられる能力を全身持久力といいます。全身持久力を上げていくための代表例としてランニングがありますが、水泳や自転車も有効です。これら有酸素運動は一定のリズムで呼吸をすることを意識して行いましょう。呼吸のリズムが悪いと長時間続けることができません。なかなか運動が長続きしない人はテンポのよい呼吸を意識するようにしてください。毎日継続して運動ができている人は、強度を少し上げたり、運動時間をさらに増やしたり、徐々にハードルを上げていくのがよいでしょう。

さらに、全身持久力を高めたいのであれば、インターバルトレーニングにチャレンジするのも悪くありません。心拍を上げる時間を170前後に設定し、不完全休息のときは130ぐらいまで心拍を下げます。この組み合わせを複数回実施することで、心肺機能が強くなりますし、身体のスピードもアップするでしょう。

トレーニング3.柔軟性を高める

持久力だけでなく、役者は柔軟性も問われます。体が柔らかければ柔らかいほど、身体で自己表現できるバリエーションが広がるのです。特に、ダンスなどで踊るときはその能力が存分に発揮されます。自主的にストレッチを行ったり、ヨガやピラティスなどのレッスンを受けたりするのもよいでしょう。筋肉の柔軟性が高まれば、関節の動く範囲も広がりますので、体を激しく動かしてもケガをしにくくなります。また、姿勢もよくなりますし柔軟性を鍛えることのメリットはさまざまです。

柔軟性を高めるためのストレッチは、毎日行うことが大切になります。起床時、運動した後、お風呂上りなど、定期的なタイミングでストレッチを行うようにしましょう。ストレッチは、柔軟性を高めるだけでなく、リラックス効果や疲労回復の効果も期待できます。日々のトレーニングで疲れてしまったときはストレッチを積極的に実施すべきです。

日常生活で硬くなりやすい部分として、肩関節周りがあります。肩関節周りを伸ばすストレッチはまめに行うようにしましょう。まず、後ろ手で手を組み、組んだ手を後ろに引っ張っていきます。胸の前部や肩回りの伸びを感じながら、伸ばせるところまで伸ばしましょう。これ以上伸ばせないというポイントまできたら、姿勢を維持して20秒ほど動かないようにします。

股関節周りも、肩関節周りと同じぐらい疲労が溜まりやすい箇所です。股関節周りが硬いと感じたら、両膝を曲げ、足の裏をぴったりと合わせてください。その体勢のまま、少しずつ上体を前に倒します。おへその辺りを地面に近づけるイメージで行いましょう。伸ばせる限界まできたら、その体勢のまま約20秒間止まります。

その他にも柔軟性を高めるストレッチはたくさんあります。なかなか自分に合うものが見つからないと思ったら、ラジオ体操でも十分です。ラジオ体操であれば、大概の人はなじみがあるはずなので、行いやすいでしょう。ラジオ体操のカリキュラムには柔軟性を高める専門的な動作が数多く取り入れられています。できるだけ体を大きく動かし、ラジオ体操を一生懸命やってみましょう。

トレーニング4.演技力を磨く

役者を目指すのであれば、演技力は必ず必要です。たとえ、ルックスがあまり優れていなくても、演技力だけで人気者になった役者は数えきれないほどいます。適応力の高い役者になりたいのであれば、普段から幅広いジャンルの映画やドラマを見て勉強するようにしましょう。プロの役者になったつもりで、「自分ならどう演技するか」をイメージトレーニングするのが重要です。ドラマなどで登場人物が発した言葉一つ一つの意味をよく考えるのも役者としてのトレーニングになります。素晴らしい役者は、登場人物の心情を見事に把握しているものです。因果関係を理解している役者の演技は自然と深みが感じられるものになるでしょう。

感情表現を高める手段の一つとして、日常で感じた喜怒哀楽の状況や気持ちを記録しておく方法もあります。いざ演技をするとき、実際にあったことを思い出せば、よりリアルな演技をすることが期待できるのです。しかし、自分の表情は自分が思っているほど、大きく動いていない場合があります。一度、鏡を見ながら自分の喜怒哀楽を表現してみてください。あまり感情が伝わってこないなと感じたら、普段の自分よりも2倍ぐらい大きな動きをしてみましょう。

本格的なトレーニングのためにはレッスンを受けてみよう

役者になるために必要なトレーニングは一つだけではありません。発声や持久力、柔軟性、演技力など、さまざまな要素を高めることで、一流役者への道が開けてくるのです。人気がある役者の姿を思い出してみてください。単にルックスがよいだけでなく、その他の面でも魅力のある人が多いのではないでしょうか。役者のオーディションに興味があるなら、専門のスクールに入り、総合的なトレーニングを受けてみることを検討してみてください。自分だけではなかなか見えてこなかった課題が、プロのアドバイスによって明確になることも多いはずです。

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