「声優のオーディションを受けたい!」
声優に興味を持っている方はもちろん、これからオーディションを受けるために調べているという方は多いのではないでしょうか。
しかし人気の高い声優はオーディションの数も多く、どのオーディションを受けたらいいのか、ましてや声優のオーディションを受けるのがこれが初めて!という方はどんなことをするのかわからず不安になりますよね。
声優のオーディションにも様々なものがあり、あらかじめ必要になることや合格のコツを掴んでおくことは大きな自信になります。
この記事では、
・声優のオーディションについての知識
・オーディション情報
・自分に合ったオーディションの探し方
・合格するためのコツ
…などを詳しくご紹介していきます。
これから声優のオーディションを受けようと思っている方はもちろん、将来声優を目指している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
Outline
1. 声優の仕事とは
出典:https://vfs.edu/programs/acting
声優と一口に言っても様々なスタイルがあり、どのような活動をしていきたいかを決めておくことはオーディションを受ける上で大切なことです。
ここではまず声優という仕事についてや、声優になる方法を見ていきましょう。
1-1. 声優の仕事内容
声優の仕事は多岐にわたり
・ラジオドラマ
・ラジオパーソナリティー
・洋画の吹き替え
・ナレーション
・イベント司会
・ドラマ
…など芸能活動全般にその活躍の場があります。
また、声優の多くは自分の仕事に「軸」を持ち活動しています。
大きく分けると
・吹き替え
・ナレーション
と3つのカテゴリーに分けられます。
これは音楽で言うところの演歌やROCK、ジャズといったように、同じ声の仕事でもそれぞれ必要な技術や知識は異なります。
ですからオーディションの際にも募集されているカテゴリーに応じて求められる人材も変わってくるのです。
よって、自分はどのカテゴリーが得意なのか、どんな声優を目指しているのかという「軸」をまずは見つけることがとても重要になります。
1-2. 声優になるための3つの手順
出典:https://jp.pinterest.com/gingerferret3/tadashi-hamada/
声優になるためには
②事務所所属オーディションを受ける
③声優の仕事をつかむためのオーディションを受ける
といった手順をこなさなければなりません。
これには大きな理由があり、
・声優の仕事を受けるには事務所所属である必要がある
・事務所所属になるためには養成所などできちんと学んでいる必要がある
…という声優界の基本的なルールがあるからです。
ただし全ての事務所がこのルールに当てはまるわけではなく、学んだ経験がなくともオーディションを受けられる場合もあります。
しかし専門的で高い技術や知識を必要とする声優は、経験や知識をなくして仕事をこなすことは難しく、やはりまずは養成所などで徹底的に学ぶケースが大半なのです。
そうして学んだのちにようやく事務所所属のオーディションを受け、合格すれば晴れてプロ声優への門出を開くことになります。
ここで言う養成所の多くは声優事務所が運営しているため新人育成としての意味もあり、養成所によっては在学中からプロデビューのチャンスがあります。
しっかりと仕事をもらえる声優になるためにも、まずは養成所でしっかり学ぶところからスタートしていきましょう。
POINT
アニメ、洋画吹き替えやナレーターなど多岐にわたる声優の仕事をするにはまず自分の「軸」を決めることが大切。
目指している声優像やどんな分野が得意なのかしっかりと自己分析をするとともに、しっかりと養成所で学んでスタイルや技術を確立していきましょう。
2. 声優のオーディション
出典:https://www.backstage.com/advice-for-actors/backstage-experts/38-must-know-voiceover-terms/
養成所に入る時はもちろん、事務所のオーディションや仕事をもらうときなど、とにかくオーディションの連続となる声優業界。
ここではそんなオーディションについて、流れやオーディション時に気をつけることなどを見ていきましょう。
2-1. オーディションの流れ
声優のオーディションでは
・ボイスサンプル / ボイスデータ
・写真
・履歴書 / エントリーシート
・面接や質疑応答 / 自己PR
・実技 / 原稿読み
・特技 / 歌などのフリー審査
といったように進められていきます。
一次審査では書類審査が中心となるため、ボイスサンプルの出来栄えや写真が大きく合否に関わってきます。
声の仕事といえど近年では声優にもアイドルの要素や外見の良さを求める事務所も増え、見た目が武器になるケースも少なくありません。
オーディション用の写真については別記事
「絶対合格したい人のためのオーディション写真撮影12のコツ」
も参考にしてみてくださいね。
二次審査では面接や実技など直接審査員の前で行う審査が中心になります。
自己PRや実際の原稿読みは特に緊張してしまう項目かもしれませんが、ここでしっかりと自分をアピールしておくことが合格を左右します。
面接や質疑応答では人間性が見られ、自己PRではどれほどのやる気があるのかはもちろん、「この人と一緒に仕事がしたい」と思ってもらうことが肝心です。
自己PR作りの方法については別記事の
「オーディションに合格する自己PR作り3つのポイント」
をぜひ参考にしてみてくださいね。
実技ではセリフやナレーション・朗読など様々なカテゴリーがありますが、オーディションによって内容は違います。
普段から本読みなど練習したり、自分の強みはどんな声なのかなどしっかりと自分に向き合っておくこと、イメージトレーニングが大切です。
2-2. オーディション当日に気をつけること
オーディション当日、いざというときに慌ててしまわないように、以下のことにはあらかじめきちんと用意をしておきましょう。
① 場所の確認
当日は遅刻は絶対にNGです。
オーディション会場への行き方、最寄駅からの距離などきちんと場所を把握しておきましょう。
また可能であれば事前に自宅から会場まで行ってみて、どれくらいの時間がかかるのか、一番近い改札の場所など見ておくことをお勧めします。
当日は電車の遅延など予期せぬ事態に巻き込まれる可能性もあるため、10分前には着くようにするなど時間に余裕を持った行動を心がけましょう。
② オーディション時の服装
オーディションの時何を着て行こうか、これも迷ってしまいますよね。
少しでも良く見せようと誰しもが思うところですが、良かれと思っても奇抜すぎる服装は控えるのが賢明です。
過度な化粧、男性は無精髭や手入れされていないボサボサの髪の毛など、不潔な印象を与える格好はやめましょう。
明るく清潔感のある服装を心がけ、審査では声出しを行うことも想定されるのでお腹を締め付けるような服装も避けておきましょう。
オーディションの服装の選び方は別記事の
「オーディションの服装|審査員にいい印象を与える服装の3つの選び方」
を参考にしてみてくださいね。
③十分な睡眠・ウォーミングアップ
オーディション当日に寝不足となってしまっては普段できていることもうまくいかなかったりと不運な結果を招きかねません。
当日は睡眠をしっかりと取るとともに、オーディション最中に体調を悪くしないように刺激の強い食事は避けましょう。
また、声優にとって喉の乾燥・不調は大敵です。
水分補給のために水などを忘れすに持っていきたいところですが、注意点として甘い飲み物やコーヒーは避けましょう。
甘味料の強い飲み物は余計に喉を乾燥させたり痰がからむ原因になり、コーヒーは喉や体を冷やし乾燥させてしまいます。
このような体調管理や自分のコンディションを整える方法は日々の訓練の中で発見されることも多い為、日頃のレッスンの中でいい方法は見つけられるはずです。
また、オーディションではこちらの準備にかかわらずスタートする為、ウォーミングアップとして発声などを自宅で済ませておくといいでしょう。
POINT
声優のオーディションではボイスサンプル、写真の出来栄えや自己PRをしっかり!
実力やのびしろだけではなくオーディション時のマナーや姿勢も見られますので気をつけましょう。
3. 声優オーディションの探し方
いざ声優のオーディションに応募しようと思っても、様々な募集があるしどうやって探せばいいのかわからない!
という方も多いのではないでしょうか。
オーディション選びにおいては、いかに自分に合うものを見つけられるかがカギとなります。
ここでは本当にやりたい仕事につながるオーディションの探し方をご紹介したいと思います。
3-1. 自分に合ったオーディションの探し方
それでは早速、自分に合ったオーディション選びの方法を見ていきましょう。
①目標をしっかりと決める
まずはじめに、声優としての目標をはっきりさせましょう。
やりたいことが具体的に定まっていない、ただ声優をやってみたいという漠然とした気持ちでは目標が見えず、オーディション選びも難しくなります。
・好きなアニメの声優をしたい
・テレビ番組のナレーターとして活躍したい
・洋画の吹き替えがやりたい
など、どんな仕事を中心に活躍していきたいかを具体的にイメージしてみましょう。
やりたい仕事が定まらないのであれば憧れの声優を目標にするのもいい方法です。
その声優さんがどんな仕事をメインに活動しているのかを見てみると、自分のやりたい方向性もおのずと見えてくるかもしれません。
②目標と事務所のカラーを照らし合わせる
声優のお仕事は事務所を通じてのオーディションという場合が多く、民放や大手企業との大きな仕事は業界からも信頼されている事務所に多くオファーがされます。
どんなに受けたいと思っているオーディションも、その事務所にいない限り受けられないということも珍しくはありません。
・アニメに強い事務所
・テレビやナレーターを多く抱える事務所
・洋画吹き替えが多い事務所
といったように事務所によってもカラーがあります。
はじめに掲げた目標がはっきりしていれば、どんなカラーを持った事務所へ行けばいいかもわかってくるはずです。
・芸能事務所も視野に入れている方
・自分に合った事務所選びについて知りたいという方は、
「芸能事務所一覧|あなたに合った事務所を選ぶ3つのポイント」
も参考にしてみてくださいね。
③養成所オーディションを受ける
行きたい事務所がはっきりしてきたら、あとはその事務所所属オーディションに合格するのみです。
しかし冒頭でもご紹介したように、声優事務所へ所属するには基本的にまず養成所で学ぶ必要があります。
声優事務所には直営の、もしくは業務提携をしている養成所があるはずですから、その養成所オーディションを受けることから始めましょう。
行きたい事務所や目標もまだ決められない・・という方は芸能事務所としても声優養成所としても実績をもつ養成所に行くことをおすすめします。
どんなところがあるのか、次項から見ていきましょう。
3-2. 声優オーディション情報
声優として必要なことを学べ、なおかつデビューのチャンスもある・・
せっかく行くならメリットは多い方がいいですよね。
ここではデビュー実績を多く持つ人気の養成所や事務所、そしてwebから簡単に見れるオーディションサイトのおすすめをランキングでご紹介していきます。
①養成所・声優事務所(プロダクション)
1位 テアトルアカデミー
鈴木福くんや小林星蘭ちゃんが所属する、言わずと知れた大手芸能事務所。
テレビ局などの業界と強力なパイプがあるため、最短3ヶ月でデビューも可能。
即戦力を育てるための充実したレッスンなど伝統と実績のある事務所なので、ぜひオススメしたい事務所です。
稲村優奈(遊戯王、新・妖怪人間ベム、蟲師など 多数出演)
はじめ声優というのは、アニメに声を当てたりナレーションを入れたりするお仕事だと思っていたんです。
それがいざ飛び込んでみると、テレビだけじゃなくラジオや歌など、いろんな形で活躍ができる。
自分が発信したものを、ファンの方に応援してもらえるのはすごく嬉しいです!
テアトルアカデミーだからできた仕事も、たくさんあって感謝しています!
このように、
・実践的なレッスン
・業界との強力なつながり
…といった強みで、全面的にバックアップしてくれる事務所です。
テアトルアカデミー
所属タレント
鈴木福、小林星蘭、谷花音、稲村優奈、脇知弘 他多数
出演実績
「君の名は。」「ズートピア」「インサイド・ヘッド」
「おじゃる丸」「ドラえもん」「僕だけがいない街」他多数
オーディション情報
・随時無料オーディション実施中
・最短3ヶ月でデビュー可能
・何度でも受験可能
・強力なバックアップ
第2位 青二プロダクション
昭和44年設立、日本初の声優中心の芸能事務所。声優、俳優、ナレーターのマネジメントはもちろんアニメ・ゲーム等のキャスティングや音響制作なども行う。
附属養成所には「青二塾」があり、東京校・大阪校とで新人発掘を行っている。
所属声優
田中真弓、山崎和佳奈 など
第3位 81プロデュース
番組の企画制作から、マネージメント業務を行っている81プロデュース。声優を中心とした所属タレントは若手からベテランまで幅広く、日本のトップ声優をこれまで数多く輩出。
音響制作を行う株式会社HALF H・P STUDIO(ハーフエイチ・ピースタジオ)、アニメーション制作を行う株式会社1981 GROUP HOLDINGSとの連携もあり幅広い事業を展開している。
所属声優
三木 眞一郎、高山みなみ など
②Webオーディション情報サイト
声優・歌手・モデル・俳優などのオーディション情報を随時アップ。オーディションメディアとして創業30年以上のキャリアを誇り、厳選されたオーディション情報を提供。
有村架純や窪田正孝、中山秀征など多くのタレントがDeviewから多く輩出されている。
「芸能人になりたい人のためのオーディションサイト」がテーマの芸能情報ポータルサイト。自分に合ったオーディションを探して応募したり、気になる事務所にアプローチすることができる。
声優やナレーターのプロダクションや多くの芸能事務所が開催中のオーディション情報を得ることができる。
声優になりたい”声優のタマゴ”を応援するための情報サイト。声優養成所・事務所など声優だけに特化したオーディション情報を掲載。
オーディション時に気をつけることや大学声優サークル情報などもチェックすることができる。
オーディション情報については別記事
「受けたいオーディションが見つかるオーディション情報全まとめ」
でもさらに細かく見ることができます。
POINT
自分に合ったオーディションを見つけるにはまず自分の目標を明確にすることから!
何がやりたいのか・メインにしたい仕事は何なのか、将来のビジョンをしっかりと持つことが大切です。
スタートとしては養成所や声優学校で学ぶことがおすすめ。
自分の意思をはっきりと持ちましょう。
4. 倍率300倍のオーディションを勝ち抜く3つのコツ
将来なりたい職業として人気を誇る声優、ひとたびオーディションが開催されれば多くの志望者が集まり、その倍率は300倍以上にもなります。
そんなオーディションを勝ち抜くにはどうすればいいのか、他と差をつける「3つのコツ」をご紹介していきます。
①歌う技術
アイドルや歌手活動を行う声優が年々増えてきていることからもわかるように、
声優で「歌える」ということは大きな武器になります。
・発声
・滑舌
・ボイストレーニング
などをしっかりと身につけ、声優に必要な発声や滑舌の習得はもちろん、歌うためのボイストレーニングや正しい腹式呼吸を身につけておくようにしましょう。
実技審査で歌を取り入れている場合もある為、自分の声の強みを生かせる曲の研究をするのもいいでしょう。
歌の練習によって音域も広がり、役柄の幅も広がるなどメリットもたくさんあります。
「声に自信がつく効果的なボーカルレッスンを受けるための2つの知識」で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみてくださいね。
②言葉力
声優はなんといっても言葉への理解がとても大切になります。
言葉の意味そのものへの知識はもちろんのことですが、物語のセリフとして前後のやりとりから意図を汲むこと、微妙な感情表現などを的確に、そして瞬時に理解する力が求められます。
・語学力
・読解力
・正しいイントネーション
これらは声優には必要不可欠だと心得ましょう。
さらに現場ではよみがな(ルビ)が振られていることが当たり前ではありません。
そのような現場でも仕事に支障が出ないよう、漢字をきちんと読めるようにしておくことも重要です。
言葉の知識や理解を深めるために文学や読書をするのもいいでしょう。
③どんな役でもこなせる振り幅
オーディションではもちろん、実際の仕事の現場ではどのような役柄が求められるかわかりません。
・少年の声
・老婆の声
・敏腕弁護士の役
・優しいお母さん
など、どんな役でもこなせる振り幅の広さがアピールできたら合格に一気に近づきます。
自分の声はどんな役に向いているのかを自己分析するとともに、苦手な役柄があれば克服する努力をしましょう。
POINT
声優にも様々な能力が求められます。
どんな仕事でもこなせるように日々勉強と練習を欠かさないようにしましょう。
そのためには自分の声をじっくり研究することも大切です。
5. 声優になるための心得や仕事への向き合い方
将来は声優を目指している方や、これからオーディションを控えているという方も一歩一歩少しずつでも近づくためには普段からの努力は必要不可欠です。
ここでは、声優を志す上で欠かせない日々やるべきことや、一時代を築いた人気声優の心得をご紹介します。
5-1. 声優になるために普段からやっておくべき3つのこと
①必要な技術を身につける
声優学校や声優養成所でも様々な知識や技術を学ぶことはできますが、きちんと「身につける」ことができるかどうかは自分の努力次第です。
レッスンなどで正しい知識を取り入れるとともに
・腹式呼吸
・滑舌や発音
・肺活量アップ
・読解力(読書など)
・ボイストレーニング
など普段から出来る自宅トレーニングはたくさんあります。
ただし初めから独学で練習するなど、専門知識もなく間違ったやり方は行わないよう注意が必要です。
正しく身につけるためにはやはり養成所や声優学校で基礎のトレーニング法を、正しい知識のもとで得るといいでしょう。
②オーディション情報を見逃さない
オーディション情報は
・ネット掲載
・養成所やスクール生向け
・特定のプロダクション内
などに向けて発信されます。
やはり最も簡単に手に入る情報としてはネット上での一般公募で、
作品ごとのオーディションや事務所所属のオーディションなど様々なオーディション情報を一気に見ることができます。
経験を問わず受けることができるのはメリットですが、人気のオーディションともなれば募集数はかなりのものになり、倍率もハードルも高いというデメリットがあります。
一方で養成所や特定プロダクションに向けられて行われるオーディションは一般公募に比べると倍率も低めになり、さらにオーディション主催者・企業と養成所やプロダクションとは関係も深く、信頼性が高いことも多いため大きな仕事がうけられるチャンスがあります。
ネットや雑誌などからオーディション情報を得ることも一つの方法ですが、
養成所やプロダクションに入ってくるオーディションを受けられるようになると一気に可能性は広がります。
③個性や自分の声を確立する
売れっ子声優に求められることはたくさんありますが、中でも
「その人にしか出せない声やキャラクター」
という“個性”は非常に大きな武器になります。
基本的な技術は当然必要ですが
・うまいけど特徴がない
・よくある声質
・表現力がない
といった欠点は声優にとっては致命的です。
自分の地声を理解していること・自分の声を知っていることはプロとしては当然のことでもあります。
自分の声を知るには
地声や演技をしている自分の声を録音し繰り返し聞くなど客観的な研究がとても大切です。
客観的に、第三者の耳として聞くことで特徴や欠点が見えてきたり、コントロールの上達にもなります。
自分の良さは自分が一番理解しておくように心がけましょう。
5-2. 人気声優が語る、仕事への向き合い方
これまで数々の人気キャラクターや名シーンを生み出してきた人気声優も、誰もが新人時代を過ごし様々な経験を経て今ある実績を積み上げてきました。
では、そんな1席を争う役の座を勝ちとった声優たちはどうやって試練をくぐり抜けてきたのか、トップ声優が思う役への取り組み方や声優に必要な条件について、最後にご紹介していきます。
これから声優という道に挑もうとしている方も仕事への向き合い方に迷っている方にとってもいいヒントになるはずです。
①榊原良子
・キャラクターらしいトーンを見つけていくには?
最初は「この人はどうゆう人間なんだろう」
「こうゆう性格になったのは、こうゆう価値観を持っているからじゃないかな」
と考えていきます。
その人の人格の、根本部分をまずとらえようとするんです。
そこをとらえた上で、たぶんこうだろうなと思ったところで練習を始めると、そうゆう声になってくるんです。
(「声優語」p.16より)
・アフレコの時に大切にしていることとは?
基本として「相手のセリフをよく聞く」ということは言われていますね。
自分だけで演じるのはダメで、相手のセリフに反応していくことで自分のセリフが成り立つことを考えていかなければいけないと言われています。(「声優語」p.20より)
②三石琴乃
・外画の吹き替えとアニメとの違い
外画とアニメでは、私の中だとスタンスが違いますね。
やっぱり生の人間に合わせるとなると、呼吸やブレスを細かく合わせなくちゃいけない。
でも、映像は編集されているわけだから、そのままの生理でやってもダメ。
・役と自分の距離について
「なりきる」という感じではないです。
なりきっているなら、マイク前に立って演技するということはできないと思うので。
(中略)
心と身体を、キャラクターの周波数に合わせていくというか。
周波数が合えば、自然に口にしたことが役として間違いのないラインに乗っていく。
本当に笑うし、涙も出ます。
③藤原啓治
・役者に必要な条件とは?
最近は「自分をよく知ること」かなって感じています。
お芝居の肥やしのために人間観察をしましょう、という話があります。
それはそれでその通りなんです。
でも、いくら他人を観察しても、まず自分のことがよくわかっていないと、観察したことを自分のお芝居にフィードバックできないんですよね。
だから、養成所の子たちには
「人間観察も大事だけれど、もしかしたら自分観察のほうがもっと大事かもしれないよ」
という話はします。(「声優語」p.46より)
【出典元:藤津亮太(2017)『声優語〜アニメに命を吹き込むプロフェッショナル〜』,一迅社】
人気声優3名の声優としての心がけについてご紹介しました。
役への取り組み方はひとそれぞれであり、間違い/正しいということはありません。
与えられた役を自分のものにするには、いかに自然にキャラクターの中に入り込むかが要なのかもしれません。
6. まとめ
声優のオーディションについてご紹介しました。
どんなチャンスが訪れるか、いつ夢が叶うかはひとそれぞれです。
少しでも可能性を広げるためにも、日々の努力を惜しまず自分の声を追求しましょう。